中小企業・小規模事業者等の皆さまが自らの課題やニーズに合ったITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップを支援する「IT導入補助金」(平成29年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)。
第1次公募が、2018年4月20日(金)から2018年6月4日(月)の期間で実施されています。
本記事では、2年目の公募となる今回の変更点を中心に、申請で気を付けるべき点などをお伝えします。
※本記事は、2018年4月24日の取材をもとに執筆・掲載しています。

13万社のIT導入を支援!

平成29年度補正予算によるIT導入補助金は、総額500億円を措置し、支援を実施します。これにより、13万件超の中小企業・小規模事業者等の皆さまのITツール導入支援を行う見込みです。
平成28年度補正予算では100億円を措置し、約1万4,000事業者が採択されました。

対象となる「中小企業・小規模事業者等」とは、表に掲げる通り、資本金または出資(資産)の総額がその業種ごとに定める金額以下の会社または常時使用する従業員の数がその業種ごとに定める数以下の法人及び個人であって、その業種に属する事業を主たる事業として営むものを指します。
医療法人や社会福祉法人、特定非営利活動法人も対象としています。

補助対象とするITツールは、生産性の向上につながるものが対象です。具体的には、業種ごとに整理された業務機能(下図、飲食業の例(ITツール登録要領から抜粋))から、いずれか2つ以上を組み合わせたものが対象となります。また、こうした機能以外にも、サポート・保守費用(最大1年分)やセキュリティ対策などのサービスも対象となります。対象となるツールは、自社の属する業種などの情報から検索することができます。
例えば、ホームページ制作の場合、単なる会社紹介のみでは対象とは認められませんが、予約機能や受発注機能を持ったものであれば認められます。

飲F-01 外国人対応

飲F-02 予約管理・受付

飲F-03 オーダーエントリー(座席・客数・メニュー・担当)

飲F-04 POSレジ会計・売上管理・ポイント管理

飲F-05 ホームページ(企業PR・商品サービス案内・EC・メルマガ等)

飲M-01 業者管理(食材・酒類飲料・他)

飲M-02 発注・仕入・買掛・支払管理(食材・酒類飲料・他)

飲M-03 在庫管理(食材・酒類飲料・他)

飲M-04 レシピ管理(レシピ登録・食材使用量計算・理論在庫自動算出)

飲M-05 顧客管理(基本情報・来店履歴・嗜好情報・アンケート管理)

飲M-06 スタッフ管理(シフト組み・勤怠)

第1次公募は、2018年4月20日から6月4日の期間で実施しています。第1次公募の交付決定は、6月14日の予定です。2018年秋までに計3回の公募実施を予定しており、第2次公募は6月中旬から、第3次公募は8月中旬から開始する見込みです。

申請はIT導入支援事業者による代理申請

中小企業・小規模事業者等の皆さまは、「どのようなITツールを導入したらよいのか」「導入した後はどうしたらうまく活用できるのか」といった不安を持っていると思います。本事業では、IT導入支援事業者(ITツールを提供するITベンダー・サービス事業者)が、中小企業・小規模事業者等の皆さまに代わって申請し、サポートします。また、ITツールの導入後も、同事業者がフォローアップを行います。

IT導入支援事業者の登録は、9月上旬(予定)まで随時受け付けています。現在、約1,800社のIT導入支援事業者が既に登録済みで、それぞれがITツールを登録しています。ITツールを導入したい中小企業・小規模事業者等の皆さまは、これらの登録されたITツールから自社に合うものを選定し、提供するIT導入支援事業者に代理申請をお願いすることになります。

代理申請となりますので、公募締切日ぎりぎりにIT導入支援事業者へ相談しても、間に合わない恐れがあります。ぜひ早めのご準備をお願いします。

平成28年度補正事業からの変更点

今回の公募では、前述のとおり予算総額を増加したほか、主に以下の点が変更となりました。応募をご検討の方は、あらかじめご確認ください。

(1)補助率の見直し
補助率を3分の2から2分の1へと見直しました。これは前回の実績を踏まえ、上限額を上回る申請が少なかったことと、より多くの中小企業・小規模事業者等の皆さまに利用していただくために見直したものです。

(2)経営診断ツールの活用
申請する中小企業・小規模事業者等の皆さまに、「経営診断ツール」を活用した経営状態の自己診断を行っていただきます。「経営診断ツール」とは、各種企業情報を入力することで、自社の経営状況を把握・分析し、現状の課題、自社の強み・弱み、将来の事業計画などを踏まえ、ITツールにより解決したい課題を検討し、課題解決に資する機能を備えたITツールを検索いただくための支援ツールです。
基本的にチェックボックスを埋めていくものなので、手元に財務諸表を用意していただければ、10分程度で作成できるものです。単にITツールを導入するだけではなく、中小企業支援機関やIT導入支援事業者等とともに、自社の強み・弱みを分析していただくことで、より効果的に生産性向上に取り組んでいただくことを期待しています。

(3)ITツールのナビゲーション機能の活用
申請する中小企業・小規模事業者等の皆さまは、IT導入支援事業者が提供する多数のITツールから自社に合うものを選定することになります。そこで、補助対象として登録されているITツールの中から経営診断ツールの診断結果等に基づき、適したITツールを検索できるナビゲーションシステムを用意しています。
自社の業種・必要とする機能から検索する「機能検索」と、経営診断ツールの回答から、導入に適したツールが検索できる「診断検索」の2通りの検索方法があります。ただし、「診断検索」は後日公開予定です。

審査項目の他に加点項目がある

審査項目は図「審査項目・審査事項」で示す通りです。これらを漏れなく記載することが必要です。主なポイントは、自社の経営課題をしっかり理解しているか、また、その課題と導入しようとするITツールとが合致しているかという点になります。
図中の(2)計画目標値の審査における「独自指標における向上率」とは、自ら目標値を設定していただき、それに対する向上率を審査するものです。
業種によっては労働生産性を大幅には向上しにくい事業者もいると思われるので、例えば旅館業であれば、「空き室率の軽減」などの目標値を設定することもできます。

これらの他に、以下の「加点項目」が設けられています。

(1)生産性向上特別措置法(平成30年2月9日閣議決定)に基づく特例措置に関して、固定資産税の特例率をゼロとする意向を表明した自治体に所属していること。(先端設備等導入計画の認定は不要)

(2)地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得していること。

(3)経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」であること。

(4)「おもてなし規格認証2018」を取得していること。ただし、2017年に金、紺、紫認証を取得し、当該認証が有効である場合は、「おもてなし規格認証2018」の取得は不要。(「おもてなし規格認証2018」については、認証ランクは問わない)

(2)と(3)の加点項目はいずれか一方のみの適用ですが、他の項目は条件を満たしていれば、積み上げ加点されます。加点措置の活用を検討される方は、それぞれ以下のページを参照してください。