地域住民やそこを訪れる人々のコミュニティの担い手として、地域を支える商店街。今回は、商店街をサポートする2つの補助金、「まちづくり補助金」と「にぎわい補助金」を取り上げます。
(※平成25年度補正事業の募集は終了しました。)

補助金申請のポイント

「補助金 虎の巻」Vol.1でご紹介した「ものづくり・商業・サービス補助金」。1次公募の採択発表も行われ、申請・採択の傾向なども見えてきました。
Vol.4では、拡大した「商業・サービス」にフォーカスしてお伝えします。
(※平成25年度補正事業の募集は終了しました。)

中小企業庁 技術・経営革新課(イノベーション課)
兵頭一裕技術支援三係長・藤内悠輔担当

そもそも革新的サービスとは?

兵頭「もの補助」担当係長(以下、「兵頭係長」):「新ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス補助金)」は、昨年に比べ支援対象が大幅に拡充されました。そのひとつが、革新的サービスの創造を追加したことです。先日終了した1次公募において、一番多く寄せられた質問が、「革新的サービス」とは具体的に何か?ということでした。そこで、今回は、1次公募一次締切り分の採択事例などを参考に、なるべく具体的に【革新的サービス】についてお伝えしていきます。藤内君、【革新的サービス】とは、どんなサービスですか?

藤内「もの補助」担当(以下、「藤内担当」):はい、「【革新的サービス】は、自社になく、他社でも一般的ではない、新たな役務を取り込んだ(取り入れたも含む)新サービス、新商品開発や新生産方式」です。

兵頭係長:そうですね。「革新的」かどうかの判断基準は、例えば、新しい設備・機器を導入しても、『当社比』で革新が行われたというようなことではあてはまらず、『地域の先進事例』や、『業種内での先進事例』にあたるかどうかなど、『相対的』な視点から、革新性を示さなければなりません。

藤内担当:ただ「性能の良い機器を買う」といったような内容では、採択にはつながりにくいということですね。

兵頭係長:そうです。設備や投資の内容よりも、それを行うことにより、どのような新しいビジネスを切り拓けるかが重要です。 一次締切りは、「新ものづくり補助金」全体で7,391件の申請があり、これを厳正に審査した結果、採択は2,916件と、約2.5倍の倍率になりました。二次締切りも15,000件以上の申請があり、現在審査中ですが、倍率については同様の傾向になるでしょう。つまり、際立った革新性が見られない場合は、残念ながら採択には至らないということです。何万件という申請がある中で、突出した革新性を示すためには、他社の申請と同一・類似な提案や、ただ新設備をいち早く導入するだけの提案では受かりません。オリジナリティに溢れた企画を考える必要があります。
そのため、中小企業・小規模事業者からは、なかなかオリジナリティの高い企画を考えるのは難しいという声もよく聞きますが、そんなに難しく考える必要はないと思います。例えば、一次締切りで採択となったサービスの事例が図1(2ページ目ご参照)です。

藤内担当:一次締切りの審査を振り返ると、小売業や流通業であっても、なにかキーとなる商品・グッズを開発し、これを本業に活かしていくというような内容が多かったですね。

兵頭係長:そうでしたね。本業に密接に関連したオリジナリティのある商品・グッズの活用により、サービス業自体を革新していくのは、ストーリーとしても非常に理解しやすいですね。

藤内担当:ただし「新ものづくり補助金」のサービス分野の応募には、無理にでも新商品をつくれば良いということでもありませんよね。

兵頭係長: もちろん、業態に合わせた革新性を提案すべきです。例に出した小売業や流通業であれば、「物流の面での革新性」も考えられるかもしれません。他にも千葉県のまくら株式会社は、顧客データを有効に活用することによるオーダーメイドサービスの提供を行うことで付加価値を上げ、採択で選ばれていますね。
多くの採択企業がいます。業種を問わず、自社のコア技術を活用した「革新性」をどんどん提案していただきたいと考えています。
 

【革新的サービスの補足ポイント1】
・新サービスは「開発」だけでなく、「設備を導入して」競争力を上げる、他社と差別化を図る方向性でも良い。

サービス分野で「成長分野型」に応募しよう

藤内担当:今回のものづくり補助金では、補助上限1,000万円の「一般型」の他に、成長分野への参入を狙う計画に対して、補助上限を1,500万円に引き上げた「成長分野型」、小規模事業者であれば、設備投資を必要としない「小規模事業者型」ができました。

兵頭係長:"サービス産業の「成長分野型」"はイメージしづらいですが、例えば、図2(2ページ目ご参照)のように、食品流通事業者が、見た目にもこだわった流動性介護食を提供するサービスを提案されています。食事は毎日の楽しみですから、介護の現場でも非常に重要視されており、大いに市場性が期待できるということで、採択されました。これは介護サービスで、「健康・医療」にあたりますから、「成長分野型」で応募できます。

藤内担当:クラウドシステムを活用した地域医療連携システムの開発なども"サービス産業の「成長分野型」"ですね。先ほど挙げた枕の販売事業もそうでしたが、一次締切りではITを取り入れてサービスの高度化を行っている事例も目立ちます。

兵頭係長:現在、経済産業省ではサービス産業の高付加価値化に関する研究会が行われていますが、ここでも「攻めのIT投資」がキーワードになっています。ITを活用することで、これまで整理することができなかったデータを管理、活用して、新たなサービスを生み出すことができるようになっていますね。
 

【革新的サービスの補足ポイント2】
・成長分野には上述の「健康・医療」の他に「環境・エネルギー」「航空・宇宙」がある。
・申請の型については、認定支援機関や地域事務局とよく相談の上、提出する計画書にあったものを選択すると良い。

採択されやすい申請書のつくり方

藤内担当:特にサービス分野において、少しでも採択されやすい申請書をつくるために中小企業・小規模事業者ができる、書き方の工夫がありますよね。

兵頭係長:申請書には、事業の具体的な内容を記載する欄があります。まずここでは、先ほども述べたとおり、新サービスが地域や業種内でどのような優位性があるか、革新的かを記載することが重要です。
優位性を示すわけですから、マーケットを分析して、どの程度シェアが取れるかといった事業の競争性を検討しましょう。商圏エリアや業界の分析を明記することは大事です。また、設備導入を行うのであれば、単に設備の効率を検討するだけでなく、導入したことによって行おうとする事業との相乗効果を示すと良いでしょう。例えば、事業が他社とどう差別化されるのか、どのくらい競争力が上がるかを分析するのです。

藤内担当:ものづくりとは違い、サービスは目に見えないですから、優位性の説明は難しいですよね。売上予測を数値で示すことは重要ですし、なるべく計画を図や写真を用いて具体的に説明すると審査員にも分かりやすくなると思います。申請書は、実質3枚としていますが、分かりやすさの観点から枚数が増えるのは構いません。無理に圧縮せず、考え抜いた内容を書き記してくださいね!
他にも、採択を決定する審査委員や事務局から挙げられたポイントがあります。形式面では2点。ひとつ目は、「対象類型」で、【ものづくり技術】と【革新的サービス】のどちらかひとつを選択することです。

兵頭係長:両方にチェックが入っている場合、審査委員の判断が付きにくくなるケースが想定されますので、必ずいずれかを選択してくださいね。

藤内担当:ふたつ目は、「経費明細表」で、"設備導入にかかる経費 XX万円"とひとまとめにせず、機械単位など決められた経費区分ごとに記載することです。

兵頭係長:審査する際に、具体的な経費明細が必要になります。詳細な記載は大変かもしれませんが、出来るだけ正確に書いてください。

藤内担当:特に小規模事業者は、社長が実務を全て行っている場合も考えられます。一人でも効果的な申請書を書くためには、どうすれば良いですか?

兵頭係長:申請にあたっては、認定支援機関との連携が求められていますから、申請書を書く段階から認定支援機関によく相談をして、アドバイスをもらうことが重要です。加えて小規模事業者には、専門家から補助金申請書類の作成に関する助言を、最大2時間まで無料で受けられる「補助金申請サポート」もあります。形式的なチェックだけでなく、申請書でアピールすべきポイントなども相談できますので、ぜひご利用ください。
 

【革新的サービスの補足ポイント3】
・申請書を書き終えたら再度、公募要領の審査項目を参照し、一つ一つ、ポイントが申請書に組み込まれているかご確認を。(審査員は審査項目をポイントに審査をしています。)

我こそは!と思った方は、ぜひ2次公募へ

藤内担当:皆様のビジネスにおいて「新ものづくり補助金 商業・サービス編」にあたるアイディアをイメージしていただけましたでしょうか。

兵頭係長:ものづくり補助金の、2次公募は平成26年8月11日まで募集しています。1次公募で不採択だった事業者も再チャレンジが可能です。地域事務局に申請者本人から問い合わせをすると、1次公募での不採択理由は開示されますので、理由を踏まえ、より良い申請へとつなげてください。