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中小企業向け補助金

平成26年度補正予算及び平成27年度当初予算で中小企業・小規模事業者を対象に公募される補助金について、支援の内容、『採択されやすい申請のポイント』についてご紹介します。

補助金申請のポイント

昨年、一昨年に続き、今年度の補正予算にも「ものづくり補助金」が計上されました。 昨年の「ものづくり補助金」には約3万7千件の応募があり、約1万4千件が採択されました。一昨年に比べ、応募数も採択数も増えました。今年度も応募数の増加が予想されます。
今年度の「ものづくり・商業・サービス革新補助金」(以降、ものづくり・サービス補助金)は、2月13日から1次公募が開始されていますが、今年度変わった点、『採択されやすい申請のポイント』について、お話いたします。
(※2次公募を実施。公募受付は、郵送:平成27年8月5日まで、電子申請:平成27年8月6日15時まで)

中小企業庁  技術・経営革新課(イノベーション課)
藤内悠輔担当

中小企業

幅広い事業者に活用いただけるよう、制度変更!

今年度の「ものづくり・サービス補助金」は、より幅広い中小企業者の方に申請いただくことを目的に環境整備を行い、従来の「革新的サービス」「ものづくり技術」に加え「共同設備投資」を新設した3類型を設けました。
「革新的サービス」は昨年より新設された類型ですが、昨年は「ものづくり技術」に比べ、申請数、採択数ともに少ない結果となりました。今年度はサービス分野での支援を厚くするべく、具体的イメージがつかみにくい、試作開発に特化した新サービスを支援して欲しい、といった声を反映させる2点の変更をいたしました。

 

 昨年の「ものづくり補助金」では、「革新的サービス」について、どのような事業が新サービスとして採択されるのか分かりづらいという声が多数ありました。そのため今年2月に「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」(以降、サービスガイドライン)を策定し、サービス生産性向上の具体的手法を明示するとともに、その中で示された方法で行う革新的なサービスを補助対象にしました。サービスガイドラインでは、中小サービス事業者の生産性を向上させる10項目の手法を規定し、その取組事例を紹介していますので、第3、4章を中心に参照してみてください。

この10項目には、中小サービス事業者の課題解決や事業発展に必要な要素が盛り込まれており、取組事例には、昨年の「ものづくり補助金」の採択事例も含まれますので、新サービスを考える際の参考にしてください。ただし、昨年の倍率が2.5倍くらいであり、今年度も激しい競争が予想されますので、ただ事例をまねるだけでは採択にいたりません。取組事例を参考にする際には、自社の強みを活かし、他社のまねできない、地域の模範となるような優れた提案となるように注意することが重要です。
申請する際には、具体的手法の中の10項目のどれに当てはまるかを選んでいただく必要があります。項目は複数選んでいただいても構いません。「誰に」「何を」「どうやって」という形でサービス提供の方法が整理されていますので、それに沿って自社がどう革新性を高めていくかを、ストーリーを作りながら書いていただくと良いと思います。

 

また、サービスについては、ITを活用することで事業革新を実現する計画をより多く支援するべく「コンパクト型」を新設し、クラウド(ITネットワークを利用したサービス)を活用したものなど、設備投資を伴わないサービス開発を対象に加えました。これは、昨年「小規模事業者型」として対象者を小規模事業者に限定していたものを拡げた類型です。設備投資を伴わずに新サービスを開発する中小サービス事業者の皆様を広く支援するべく、今年度から施策に反映しました。
昨年同様、設備投資を伴う「一般型」も設けています。ITを利用するなど、設備投資をせず新サービスを開発する皆様はコンパクト型に、機械装置等を導入して新サービスを開発する皆様は一般型に、事業計画に沿って類型を使い分けていただければと思います。

 

次に、今年度から新設された「共同設備投資」です。こちらは中小企業者単独では申請できず、組合、社団法人、共同出資会社(以降、組合等)を事業管理者として含めて申請いただくか、任意グループであっても今後組合等を組成していただく必要がありますので、申請の際は組合等と早めにご調整ください。ただし組合等の構成員の中小企業者でグループ申請が出来ますので、しっかり準備いただくことで個社での申請より大きなプロジェクトを遂行することができます。
また、昨年は企業グループ連携数を5社までとしていたところ、今年度は補助事業をとりまとめる事業管理者を置き、各社ごとに設備を導入いただくことを条件に、連携数を撤廃しました。共同事業者全体で収益向上を達成する事業計画を策定していただくことで、各社500万円を上限に、共同体全体で上限5,000万円が補助されます。各社が設備を導入することで、グループ全体で生産プロセスを改善することが狙いです。


最後に、全ての類型に共通する変更点です。
今年度は、「成長分野型」(環境など成長分野に参入する事業だけを対象にしたもの)を撤廃しました。限られた予算の中で、より多くの皆様に「ものづくり・サービス補助金」を活用していただくことが狙いです。

 

 

全国津々浦々、多くの方に活用の幅が広がればと思います。

公募要領でできる2段階のチェックを!

次に、『採択されやすい申請のポイント』についてお伝えします。
申請書の内容をより良くしていただくために、是非公募要領上で出来る2段階のチェックを行ってみてください。

 

まず、申請事業が対象外でないか、単純ミスがないかなどについては、公募要領P5『4.補助対象要件』の中の「補助対象外事業」をご確認ください。昨年の申請で良く見られた不採択理由として、各経費に設定されている補助上限額を超えて申請をされるケースがありました。例えば、設備投資を必要とする一般型での申請で、機械装置費以外の補助金交付申請額を500万円超計上してしまうなどです。ある都道府県では、申請案件の約2割がこの要件で不採択になっているほど間違えやすい部分です。その場合、どんなに革新的で優れた取組内容だったとしても採択の対象外となりますのでご注意ください。また、主たる技術的課題解決を外注してしまう内容でも、補助対象外になります。

 

「補助対象外事業」の項目をクリアされた方は、公募要領P20『審査項目』を参照してみてください。こちらには審査員が実際にチェックするポイントが明記してあります。申請書を提出する前に各項目と照らし合わせて、提案する事業が審査項目に合致しているかを再度ご確認ください。

 

また、昨年不採択だった事業の中身を見ると、購入する機械の優位性をPRするだけの申請書が多く散見されました。そのような申請だと、高機能の機械を入れれば、どんな企業でも達成出来るように審査員に判断され、低い評価となってしまうようです。それを回避するためには、申請書を書く際に、「自社の保有する技術やノウハウなどを最大限にPRすること」を目的に置いて、
(1)顧客や市場のニーズを把握して、どのような事業を行うことが必要か自社の経験を踏まえて記載
(2)自社の現状分析を行い、強みや技術的課題を整理
(3)技術的課題を解決し、顧客や市場のニーズに応えるために必要な取り組みや設備投資をスケジュールや実施体制とともに明記
(4)事業を実施することで自社の売上がどう変わるか、将来の展望を根拠のある数字で記載
といった流れでストーリー化して事業計画を作成すると良いでしょう。
また、昨年の申請書で「分かりやすい」と評価が高かった事業計画として、根拠付けの部分で実際にあった市場、顧客の生声(納期が〇〇であれば契約した等)が盛り込まれているものや、取引先の固有名詞等が具体的に書かれているもの、技術的課題を定量的に分析しているもの、公的な統計により業界や市場などの分析を行っているものがありました。上記のような手法を使えば、申請書をより説得力のあるものに仕上げられるでしょう。

 

加点項目も大きなポイントです。昨年は採択者の9割以上に加点が適用されておりました。加点項目の一つ「自社の計算書類が中小会計要領又は中小指針の適用を受けている」は、普段からお付き合いのある税理士に、自社の計算書類が中小会計要領又は中小指針の適用を受けているかのチェックリストを記入していただき、それを添付することでも適用されます。まだ利用されていない皆様も、この機会に自社の計算書類の見直しとともに、加点を狙ってみてはいかがでしょうか。

 

前回に引き続きですが、認定支援機関と相談して申請書を作成いただくことを要件にしています。申請書を書く前の事業計画を考える段階で、ご相談されることも効果的です。

電子申請でうっかりミスとコストを削減!

申請書の受付方法ですが、今回も紙での申請と電子申請(3月中旬開始予定)があります。電子申請の場合、メリットが2つあります。
まず、申請の際、数字の整合と入力漏れのチェックができますので、紙で申請するより申請書の作成ミスを少なくできます。数字の整合チェックでは、前述の上限額超過に関するミスなどを防げます。
次に、紙での申請に比べて提出書類などの数が少なくなります。紙で申請する場合は、公募要領P18『提出書類』一式を合計6部とCD‐Rの提出が必要ですが、電子申請ではそれらは不要です。申請作業はオンラインで行い、採択されたときに初めて『提出書類』一式を1部のみ送っていただきます。労力などのコストを削減できますので、ぜひご検討ください。
電子申請の開始及び締切り等については、随時ミラサポ上でお知らせする予定です。

 

前回に引き続き、今回も皆様の斬新なアイディア、取り組みを申請いただけることを楽しみにしております。沢山のご応募をお待ちしています。

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